
インフルエンザ対策として注目されているのが、抗インフルエンザ薬の予防投与です。
この記事では、インフルエンザ薬の予防投与について分かりやすく解説しながら、タミフルとイナビルの特徴を比較し、「結局どっちを選べばいいの?」という疑問にお答えします。
インフルエンザ薬の予防投与とは?

インフルエンザ薬の予防投与とは、インフルエンザウイルスへの感染・発症を防ぐ目的で、症状が出る前に抗インフルエンザ薬を服用する方法です。通常は、インフルエンザ患者と濃厚接触してから 36〜48時間以内 の早い段階で薬を使用することで、体内でのウイルス増殖を抑え、発症リスクを大きく下げる効果が期待できます。
ワクチンのように「事前に免疫をつくる」ものではありませんが、ウイルスが体内で広がる前に抑え込むことで、発症予防・重症化予防の両面で有効とされています。
予防投与が活用されるケース
予防投与は、次のような状況で特に有効です。
- 家庭・学校・職場でインフルエンザ感染者が出て、濃厚接触した場合
- 受験・旅行・重要な仕事やイベントが近く、絶対に体調を崩したくない場合
- 高齢者施設の訪問予定や、乳幼児・持病のある家族などハイリスク者と接する予定がある場合
- 基礎疾患がある・免疫力が低下しており、インフルエンザ発症時に重症化リスクが高い場合
このように、インフルエンザの予防投与は「短期間のリスクを確実に下げたい」人にとって、非常に心強い選択肢になります。
予防効果と注意点
予防投与の効果は薬によって多少異なりますが、発症リスクをおよそ65〜90%ほど減らせる とされています。
また、ワクチンとの併用も可能で、「ワクチン+予防投与」 の組み合わせにより、発症予防・重症化予防の両方をより高めることができます。
タミフルとイナビルの違いについて

インフルエンザ予防としてよく使用される薬が、タミフル(一般名:オセルタミビル)とイナビル(一般名:ラニナミビル)です。どちらも A 型・B 型インフルエンザに効果がある「ノイラミニダーゼ阻害薬」という種類のお薬ですが、投与方法・予防効果・使いやすさなどに違いがあります。
以下では、タミフルとイナビルの主な違いを分かりやすくまとめます。
| 比較項目 | タミフル | イナビル |
| 剤型 | 内服薬(カプセル・シロップ) | 吸入薬 |
| 服用回数 | 1日1回 × 10日間 | 1回吸入するだけで完了 |
| 予防効果(有効性) | 約80〜90% | 約60〜70% |
| 効果の持続期間 | 服用期間中効果が継続 | 1回吸入で約10日間効果が持続 |
| 使用できる対象 | 生後1歳以上から高齢者まで幅広く使用可能 | 吸入操作ができる子ども〜成人向け |
| 小児・高齢者への使用 | 内服・シロップがあり使いやすい | 吸入が難しい場合は不向き |
| 服用のしやすさ | 毎日服用が必要・飲み忘れ注意 | 一度で完結・手軽 |
| 注意点 | 10日間継続が必要 | 正しい吸入操作が必要/小児・高齢者は難しいことも |
① 剤型と服用回数の違い
| タミフル | 内服薬(カプセル・シロップ)。 予防目的では 1日1回 × 10日間 の連続服用が必要です。→ 毎日飲む手間があるタミフル |
| イナビル | 吸入薬。 1回吸入するだけで予防投与が完了し、効果は約10日間持続します。→ 一度の吸入で済むイナビル |
② 予防効果の違い(有効性)
臨床データでは、
とされており、どちらもリスクを大きく下げますが、統計的にはタミフルの方が高い予防効果が示されています。
③ 使用できる年齢・対象の違い
| タミフル | カプセルとドライシロップがあり、小児から高齢者まで幅広く使用可能
特に乳幼児や高齢者など、吸入が難しい患者に向いている
|
| イナビル | 吸入ができる年齢であれば使用可能(一般的には小学校低学年〜成人)
吸入操作が難しい乳幼児や高齢者には不向き |
④ 服用のしやすさと負担
| タミフル |
|
| イナビル |
|
まとめ:どちらが良いかは状況によって変わる
タミフルとイナビルにはそれぞれメリットと注意点があります。
オンラインクリニックにおける予防投与の費用比較

インフルエンザ予防投与は保険適用外の自由診療のため、医療機関によって費用が大きく異なります。近年はオンライン診療で予防薬を処方してもらい、自宅へ配送してもらえるサービスも普及しており、忙しい方でもスムーズに利用できるようになりました。
ただし、クリニックごとに薬剤費・診察料・送料が異なるため、事前に総額の目安を把握しておくことが大切です。
タミフル・イナビル予防投与の料金比較表(オンライン診療)
| 項目 |
|
|
| タミフル予防投与(10日分) | 9,500円 | 7,800円 |
| イナビル予防投与(1回分) | 9,500円 | 9,900円 |
| 公式サイト |
※上記は薬剤費のみの税込価格です。
※料金は2025年11月時点の公式情報に基づきます。
イナビルとタミフルの副作用について

薬を選ぶ際に気になるポイントのひとつが「副作用」です。タミフルもイナビルも安全性の高い薬ですが、予防投与であってもまれに副作用が起こることがあります。どちらの薬にも特徴がありますので、事前に知っておくと安心です。
タミフルの主な副作用
タミフルでは、以下の副作用が報告されています。
- 吐き気・嘔吐
- 腹痛・下痢などの胃腸症状
- 頭痛
- 発疹
- 倦怠感
特に 胃腸症状は服用初期に出やすい とされていますが、多くは軽度で一時的なものです。
ごくまれに以下のような重い副作用が起こる可能性もあります。
- 肝機能障害
- アナフィラキシー(強いアレルギー反応)
また、日本では過去に10代の患者で「異常行動」が報告され、一時的に投与制限がありましたが、タミフルとの因果関係は明確でないとされています。
ただし、インフルエンザそのものでも異常行動は起こり得るため、小児・未成年が服用する際は2日間ほど大人が見守ることが推奨されています。
イナビルの主な副作用
イナビルの副作用として報告されているものは次のとおりです。
- 下痢
- 頭痛
- めまい
- 嘔吐
- 咳・喉の刺激感(吸入時)
イナビルは吸入薬であり、全身への吸収量が少ないため、副作用の頻度は比較的低いとされています。ただし、吸入時に喉の刺激から咳込みが起こることがあります。
ごくまれに以下のような症状が報告されています。
- 気管支けいれん(喘息のような症状)
- アナフィラキシー
- 重い皮膚症状
特に、喘息やCOPDなど呼吸器疾患のある方は、事前に医師へ相談することが重要です。
副作用が出たらどうすればいい?
タミフル・イナビルともに、副作用の多くは軽度で自然におさまることがほとんどです。
しかし、
- 明らかな体調不良
- 呼吸が苦しい
- 強いアレルギー症状
- 意識の変化
などが見られた場合は、自己判断せず速やかに医療機関を受診してください。
まとめ
タミフルとイナビルは、いずれもインフルエンザの発症リスクを下げられる有効な予防薬です。ただし、投与方法・予防効果・費用・使いやすさには違いがあり、どちらが適しているかは一人ひとりの状況によって変わります。
本記事で紹介した特徴や比較ポイントを参考に、ご自身やご家族に合った予防策を選んでみてください。迷ったときや不安がある場合は、遠慮せず医師に相談し、あなたに最適な方法を一緒に判断してもらうことをおすすめします。
また、インフルエンザ対策の基本は、ワクチン接種・手洗い・うがい・マスク・十分な睡眠といった日常的な予防行動です。予防薬の活用はあくまで「補助的な対策」であり、基本を徹底することで発症リスクをより大きく下げられます。
しっかりと対策を行いながら、必要に応じてタミフルやイナビルの予防投与も取り入れ、インフルエンザシーズンを安心して乗り切りましょう。




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